幼少期の金剛(こんごう)からの急成長ぶりに少々驚いた方も少なくなかったと思います。
その後は、義時と親子対立するような演出のなか野心なき誠実的な青年として徐々に成長して
いってます。
そんな北条泰時について少し調べてみました。
みなさんも気になりませんか?
ちょっと覗いてみましょう!
北条泰時について
- 名前:北条泰時(ほうじょうやすとき)太郎
- 生年:1183年~1242年7月14日
- 素性:古い文献では義時と側室との子とされています。
今回のドラマでは、八重との子(金剛)になっています。 - 役者:坂口 健太郎(さかぐち けんたろう)
鶴丸(つるまる)の存在
古い文献では、幼少期から青年期までの記録がほとんどありません。
ドラマでは、八重が孤児の面倒をみることで、鶴丸(つるまる)との出会いで身分・立場の違いについて葛藤しつつ、八重と義時に諭され、人としての道理を学んだ設定になっています。
その後、鶴丸(後の平盛綱:たいらのもりつな)に支えられながら成長します。
三谷幸喜さんは、この設定で、後に3代目執権として「御成敗式目」を制定する基盤としているのかもしれませんね。
「多賀重行」(たがしげゆき)との逸話
古い文献に「多賀重行」(たがしげゆき)との逸話が残されています。
『北条泰時は多賀重行と道ですれ違っていました。このとき、北条泰時は徒歩、
対して多賀重行は馬に乗ったまま通り過ぎていた』というものです。
当時、高い地位であった泰時に対して、馬に乗ったまますれ違うことが無礼に当たるとされ、源頼朝が重行を処罰します。そして、重行を庇うような対応をした泰時に対して、頼朝は褒美に剣を与えたとされています。
ドラマでは、全く違う設定で、ある日、義時が騎乗の堤信遠(つつみのぶとう)とすれ違った際に『土下座をしろ』と無茶な因縁をつけられ、泥水に押さえつけられます。
逸話との設定が合うのは「騎乗の人物とのすれ違い」だけですよね。
古い文献の逸話が、『泰時の人徳』を高めるものと考えると前項で書いた
『鶴丸(つるまる)との出会い』で、十分だったのでしょう。
妻の初(はつ)
- 名前:初(はつ)
- 素性:三浦義村の娘で、北条泰時の幼なじみ。泰時の愛妻となる。
- 役者:福地 桃子(ふくち ももこ)
哀川と青地との間に、5人兄妹の末っ子
ドラマでは、強い妻的な存在で愛妻の設定になっています。
古い文献では、嫡男『時氏』を出産後に離別したとされ、その後、後室をとっています。
承久の乱
ドラマでは、少年期に鹿狩りで、弓の上手さを頼家に羨ましがられたり、そのまま近習と
なっています。また、3代将軍の実朝(さねとも)にも重宝がられ、重用されますが、父の
義時に対しては、反発心とも取れる行動をしています。
親子の絆を高めていくようなシーンも多くあります。
先にも書いたように活躍の記録が少なく『比企能員の変』で討伐軍に加わったり、『和田の乱』で義時と共に活躍し、褒美を与えられたりしています。
頭角を現し、文献にも大きく記されるのが『承久の乱』で、総大将として幕府軍を率いて都(京)に上洛したところからです。
その後、叔父の時房(ときふさ)とともに六波羅探題(ろくはらたんだい)に就任します。
泰時にとっての『承久の乱』は、最大の転機となったのではないでしょうか。
伊賀氏の変
今回の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、主人公が『北条義時』なので、義時の死後に起こる
『伊賀氏の変』が描かれることはないかと思いますが、泰時に纏わる事件としては大きいので
少し書いておきたいと思います。
以前に義時の後妻(継室:けいしつ)として記載しています。
義時の突然死が、『のえ』の毒殺説があります。
真実は分かりませんが『伊賀氏の変』が、原因かと思われますよね。
義時死後に泰時が3代目執権に就くのですが、のえ(伊賀の方)が義時との子『政村』を次期執権に就かせようと企てのが『伊賀氏の変』です。
その企てには、三浦義村が関わっていたとされており、尼将軍(あましょうぐん)となっていた
政子が、いち早く察知し、義村を企てから外すことで、事を収めます。
その後、のえ(伊賀の方)は、流罪とされてしまいます。
ただし、これも北条家の権力を誇示するため政子がでっち上げた事件とも言われています。
まとめ
今回のドラマの主人公は、『北条義時』なので、義時の死後がどこまで描かれるか分かりません。
しかし、泰時の人物像は、しっかり描かれています。分かる人にとっては、義時死後に泰時が制定する「御成敗式目」へ繋がるのではないでしょうか。
歴史上「御成敗式目」の制定は、平民のことまで考慮された最初の制度・仕組みと言えるかと思います。
主人公の『義時』、『尼将軍』の功績も多大ですが『泰時』の功績も負けず劣らずではないでしょうか。
最終回後は、次回の『どうする家康』への期待もありますが、改めて泰時について思い返すのも
いかもしれませんね。